web3マーケティング とは?NFTを用いた顧客ロイヤルティ醸成

web3マーケティング とは、企業やブランドが、NFTなどのweb3技術を用いて、顧客との継続的かつ幅広い関係性を作り、顧客ロイヤルティ醸成を図るマーケティング手法です。

私たちProofXは、2022年6月14日にNFTを活用したWeb3時代の新たな経験データ蓄積・所有・活用の考え方となる「ProofX構想」を発表し、その詳細をホワイトペーパーとして公開いたしました。当初発表した「ProofX構想」では、主に以下の点について詳解しました。

  • 現状の世界が抱えるデータ保有に関する潜在的な課題
  • それらの課題の解決するためのProofX構想の説明
  • 自己主権的にデータを所有・活用する世界の実現への道筋

※ホワイトペーパーは、以下のリンク先よりご覧いただけます。
https://proofx.gitbook.io/proofx_whitepaper/

そしてProofXは、構想発表後から現在に至るまで、様々な実証実験を通じて、Web3技術の持つ可能性やWeb3技術が浸透した世界の将来像を模索してきました。

当初の構想発表時では書くことのできなかった「NFTの持つ無限大の可能性」を知り、またNFTという技術を手段として活用することで、「これまでにはなかった企業と顧客の関係性を構築すること」が可能となることを確信しました。

今回から、Web3技術を活用することによる企業と顧客の関係性の革新、そしてweb3マーケティングの可能性について解説いたします。
本記事では、これまでの企業と顧客の関係性と内在する問題点、その解決手段、そしてweb3マーケティングにより生まれる顧客の熱狂について、ご説明いたします。

国内外のweb3活用事例や、Z世代に向けたweb3マーケティングについて知りたい方は、以下のレポートをご覧ください。

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目次

web3マーケティング とは何か?

web3マーケティング とは、企業やブランドが、NFTなどのweb3技術を用いて、顧客との継続的かつ幅広い関係性を作り、顧客ロイヤルティ醸成を図るマーケティング手法です。

NFTなどのweb3技術を用いて、企業・ブランドは、顧客のことをより深く広く理解し、そして長期的な関係性を築いていくことができます。web3マーケティング

web3マーケティングが求められる背景

web3マーケティングによる変革を語る前に、現状の企業と顧客の関係とその問題点、今後のあるべき姿について、ご説明いたします。

現状の企業と顧客の関係性

まず、現在の企業と顧客は、どのような関係になっているでしょうか。
現状、多くの企業にとって、顧客は「価値を提供する対象」として認識されています。
企業は、顧客の課題やニーズを調査し、その課題を解決する/ニーズを満たす商品・サービスを作り上げ、それを顧客に提供するーーこれまではこのように、顧客は企業から価値を提供される「受動的な立場」でした。

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図1. 現状の企業・顧客の関係

このような関係において、企業は価値を提供する(=自社の商品・サービスを購入してくれる)顧客を見つけ出すために、ファネル型のマーケティング手法を利用してきました。
図2に示すように、広告やキャンペーンなどに多額の費用を投じ、「見込み顧客の認知を獲得すること」に注力してきたのです。

AIDAに代表されるマーケティングモデルのファネルに対して、より多くの顧客を投入し、可能な限り最終的な商品・サービスの購入へ辿り着く顧客の割合を大きくするために奮闘するのが通常のマーケティングのあり方でした。

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図2. これまでのファネル型のマーケティング手法

現状のマーケティングの問題点「CAC(顧客獲得コスト)の増加」

昨今は、このファネル型マーケティング手法による顧客の獲得が困難になっています。その最たる原因は、「CAC(顧客獲得コスト)の増加」です。

個人情報保護強化(Cookieの廃止)に伴い、個人の趣味趣向に合わせた広告の配信が困難になっていることや、広告・キャンペーンの過剰提供による広告効果の低減により、CACは増加の一途を辿っています。
その結果、顧客の認知を獲得することが以前と比べて飛躍的に困難になるとともに、たとえ認知を獲得できても、自社の商品・サービスの購買にまでなかなか辿り着かせることができなくなっています。

それに加え、日本国内という市場で考えると、急激な人口減少もまた、顧客獲得の難易度を上げていきます。

総務省の資料によると、2050年の日本の人口は、9,515万人と推計されています。2022年現在の日本の人口は1億2,322万とのことなので、単純計算で毎年100万人近い人口が減少していくことになります。毎年、人口100万人の都市が1つ消滅していくと考えると、そのインパクトが想像しやすいかと思います。

総務省「市町村合併の進歩状況について」https://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf

このような人口減少により、そもそも日本マーケットではターゲットとなる母集団自体が減少していきます。

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図3. ファネル型マーケティング手法による顧客獲得の難化要因

「LTV(顧客生涯価値)の向上」に向けて期待される「ファンマーケティング」

このような背景から、「CACが高止まりするのであれば、LTV(顧客生涯価値)を向上すべき」という考えのもと、「LTVの向上」の必要性が頻繁に訴えられるようになりました。
そしてそのLTVを向上するための手段として、最も効果的な方法の1つが、ファンマーケティングです。

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図4. ファンマーケティングのアプローチ

ファンマーケティングでは、その商品・サービスのコアファンやエバンジェリストといった、いわゆる「ロイヤルカスタマー」と呼ばれる人たちを対象としたマーケティングのことです。
ファンマーケティングの目的は、以下のとおりです。

  • ロイヤルカスタマーを優遇する様々な施策を行うことで、彼らのファン度を向上させ、また彼らのLTVを向上させること
  • ロイヤルカスタマーのファン度を向上させることで、彼らが自発的に周囲の人に自社商品・サービスを紹介するように促し、新規顧客の獲得に繋げること

これまでのように、大量の見込み顧客に対して多大な費用をかけて顧客を獲得していくのではなく、少数の既存のロイヤルカスタマーに対して投資をしていくことで、安定した長期顧客基盤を形成し、また既存顧客が新規顧客を呼び込む好循環を作っていくことが可能となるのです。

※従来のようなファネル型のマーケティングが不要になると主張しているわけではありません。既存のマーケティング手法も今後は重要な役割を担うことは間違いありません。ファネル型マーケティングとファンマーケティングの役割の違いや棲み分けについては、別記事にて整理する予定です。

これからの企業・顧客の関係性

こういったロイヤルカスタマーたちは、その企業の理念や価値観に共感し、単なる消費者の域を超えて、その企業のことを宣伝してくれるエバンジェリストとなるのです。

つまり、彼らはもはや企業から単純に価値を受け取るのではなく、企業とともに価値を共創していく存在となるのです。

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図5. これからの企業・顧客の関係

これからの時代、企業は、単に顧客に対して価値を提供するのではなく、ファン基盤を強固に築き上げて、ファンと共に価値を共創していくことが求められます。

 web3マーケティング :NFTなどのweb3技術を活用した新たなファンづくり

では、実際にどのようにしてファン基盤を構築すればよいのでしょうか。
前章で述べた通り、ファン基盤構築のためには、顧客獲得をゴールではなくスタートとして考える必要があります。ファンづくりのためには、単純に顧客を獲得して終わりではなく、獲得した顧客と継続的・長期的な関係を築き、徐々に顧客をファン化していく仕組みが必要となるからです。

web3マーケティング とは

顧客との継続的・長期的な関係を築くための手段として、web3マーケティング は、強力な武器となります。

web3マーケティング とは、企業やブランドが、NFTなどのweb3技術を用いて、顧客との継続的かつ幅広い関係性を作り、顧客ロイヤルティ醸成を図るマーケティング手法ということができます。web3技術の一つであるNFTが「新たに生み出される強力な顧客接点」となり、「顧客の熱狂を生み出す強力なドライバー」となるのです。

分断されている企業と顧客の接点

現状、企業は、オンライン/オフライン上で様々な顧客接点を保有しています。

  • オフライン:店舗での購買活動等、企業の持つオフラインアセットでの接点
  • オンライン:ECでの購買、メルマガ、会員アプリ等での様々な接点

IT技術の発展に伴い、オンライン上で顧客接点を持つことができるようになった結果、企業は実に多くのオンライン施策を行うことができるようになりました。

しかし、オンライン上の顧客接点は、「システム/プラットフォームごとに分断されている」という大きな問題を抱えています。

例えば、自社開発の顧客アプリ上での顧客との接点は、そのアプリ内で完全に閉じており、他の自社や他社のシステム/プラットフォームとシームレスに接続することは非常に困難です。そのため、同一の顧客が、複数のシステム/プラットフォームを通じて企業と接点を持ったとしても、顧客単位で一気通貫に顧客との関係を構築することは不可能でした。

もちろんCDP等を活用することで、様々なシステム/プラットフォームで発生した顧客データを名寄せし、統合的に管理することは可能ですが、そこには莫大なコストが必要でした。

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図6. Web2時代の顧客接点に関する問題点

NFTなどのweb3技術による顧客データの統合

NFTを活用することで、上述の問題を解決することができるようになります。

NFTには「相互運用性」という特徴があり、共通の規格で生成されるデータとなることから、特定のシステム/プラットフォームに閉じることなく、あらゆるDapps(Web3サービス)上で配布されたNFTを顧客に紐づけて確認することができるようになります。
NFTを活用することで、これまでそれぞれのシステム/プラットフォームに閉じていた接点を開放し、プラットフォームレスに顧客とダイレクトにつながることができるようになるのです。

web3マーケティング におけるプラットフォームレスな顧客チャネル
図7. Web3時代のプラットフォームレスな顧客チャネル

web3マーケティング で実現するゲーミフィケーション

これまで、顧客をファン化するための手段として、以下のような様々な仕組みが企業から提供されてきました。

  • 次回割引クーポン券
  • スタンプカード
  • ポイントプログラム
  • ロイヤルティプログラム

そして、こういった仕組みをより魅力的なものにするため、取り入れられてきたのが「ゲーミフィケーションの仕組み」です。
単に特典を付与するのではなく、そこにゲーム性を取り入れ、うまくユーザーの関心を惹きつけながら目標に向けて継続した行動を促すーーそうすることで、徐々に顧客がファンになっていく仕組みとなっています。
そして、NFTはまさにこのゲーミフィケーションの効果を大幅に強化し、「顧客の熱狂」さえ生み出すことができる革新性を秘めているのです。

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図8. NFTによるゲーミフィケーションの大幅強化

これまで、スタンプカードやポイントプログラム、ロイヤルティプログラムで得られるインセンティブ(特典)は、特別な割引や優遇されるサービス、特典品など、基本的には「お得なもの」「もらうと嬉しいもの」でした。
しかし、それらのインセンティブをNFTとして付与することで、インセンティブが「間接的な金銭的インセンティブ」へと昇華させることができます。なぜなら、NFTはそれ自体が資産価値を持ち、外部のマーケットプレイス等で自由に金銭に変換できるという固有の特徴があるからです。
単なるお得なものがもらえるという状況から、間接的な金銭がもらえるという状況への変化は、大きな確信をもたらします。具体的なケースで、インセンティブがNFT化されることによる変化を考えてみます。

《状況》
Aさんは出張で新幹線を乗るために東京駅に来ています。新幹線の出発時刻まであと15分。コーヒーをテイクアウトして新幹線に持ち込もうと考えています。

【Web2時代】
Aさんは特にコーヒーショップにこだわりはありません。スマートフォンには様々なコーヒーショップの会員アプリがインストールされていますが、ほとんど使われていないようです。たまたま通りがかったコーヒーショップXに立ち寄り、コーヒーをテイクアウトしました。

【Web3時代】
Aさんは特にコーヒーショップにこだわりはありません。ただ、先日たまたま利用したコーヒーショップYでは、商品を購入するたびに「NFTスタンプ」がもらえ、期間中に10個のNFTスタンプを貯めると「限定デザインのコースターと引き換えられるNFTチケット」がもらえるというのを目にしました。

そのコースターは人気が高いらしく、引き換えNFTチケットだけでなくNFTスタンプ自体も、マーケットプレイス上で活発に取引されているようです。Aさんは特にそのコースターが欲しいわけではなりませんが、「どうせコーヒーを飲むなら、コーヒーショップYで買った方が良いな。出張で何度も東京駅に来るわけだし。」と考え、少し離れたコーヒショップYへ向かい、コーヒーをテイクアウトしました。

この例では、受け取る特典が金銭的価値へと容易に変換できるようになることにより、顧客の意思決定に大きく影響を与えられる可能性が示唆されています。端的に言えば、「〇〇するなら、儲かるお店を選択しよう」という形で意思決定の後押しをすることができるようになるのです。

さらに、2次流通が活発に行われるような設計をすることで、顧客同士のコミュニケーションも活発していきます。こういった顧客一人ひとりの行動が大きなうねりを作り、顧客の熱狂を生み出していくのです。

上記の例で見たように、一度特定の企業と継続的な関係を持った企業は、ゲーミフィケーションとインセンティブをうまく設計し、「常に顧客が自社を選択してくれるような仕組み」を作ることができるようになります。

そして、初めは単なる利用者であった顧客も、その企業と継続的な関係を持つことで、徐々にその企業の持つ商品の魅力を知り、ファン度が増していきます(単純接触効果)。

さらに、一度ファンになった顧客は、なかなか他の企業には離反しません。上記の例でいうと、一度コーヒーショップYのファンになったAさんは、後からコーヒーショップXが同様の取り組みを開始しても、よほどのメリットがない限り見向きもしないでしょう。このような形で、先行した企業が競合他社に対する参入障壁(Moat)を築くことができるのも大きな特徴です。

web3マーケティング により革新する企業と顧客との関係性

ProofXは今後も、Web3マーケティングを活用した企業と顧客の関係性の革新の探究に舵を切ります。

企業の持つブランドのあり方は今後数年で大幅にアップデートされることになりますが、企業と顧客の関係は一朝一夕で構築されるものではなく、長期にわたって築かれていくものです。

Web3技術活用のベストプラクティスが発見されるには、もう少し期間が必要にはなりますが、今現在、様々な知見を溜めながら検証を繰り返し、「Web3×ファンづくり」に向けて動いている企業は、必ずや数年後に、大きな恩恵を得ることになるでしょう。

また、NFT活用事例に興味を持たれた方は、当社がまとめた顧客ロイヤルティを高めるweb3活用事例レポート(2023年)」をダウンロードしてご覧ください。この資料では、日本国内外の様々なNFT活用事例やNFTを利用したマーケティング戦略、地域活性化の取り組みなど、効果的なNFT活用方法について詳しく解説しています。資料ダウンロードは無料ですので、この機会にぜひご活用ください。

今後、ProofXはNFTを活用した様々な実証実験をもとに得られた知見を踏まえながら、Web3技術を活用した企業と顧客の関係性の革新について、情報を発信していきます。

ぜひ本アカウントをフォローいただき、今後もウォッチいただけると嬉しいです。

また、ProofXは現在、Web3時代のLTV向上、ファンづくりを共に模索していく企業を募集しています。実証実験やPoCを通じて、共に日本の先頭を走ることにご興味のある方は、ぜひ以下のフォームよりご連絡ください。

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