コミュニティマーケティング とは?事例、手法、web3・NFT活用可能性を解説

コミュニティマーケティングとは-web3・NFTの活用可能性について-

「 コミュニティマーケティング 」とは、特定のブランドや製品、サービスに興味を持つ人々を一つのコミュニティに集め、そのコミュニティを通じてブランドの価値を共有し、顧客との信頼関係を深めるマーケティング手法です。

コミュニティマーケティングにおいては、ファンコミュニティとの関係を作っていくこともとても重要です。本記事では、コミュニティマーケティングの定義、メリット効果をみた上で、具体的な事例・企業例を見ていきましょう。

そして、NFT等のweb3技術を活用することで、どのようにファンとより良い関係を構築できるのかを見ていきましょう。

目次

コミュニティマーケティング とは

コミュニティマーケティング とは何か?

コミュニティマーケティングは、特定のブランドや製品、サービスに興味を持つ人々を一つのコミュニティに集め、そのコミュニティを通じてブランドの価値を共有し、顧客との信頼関係を深めるマーケティング手法です。コミュニティマーケティングによって、顧客のロイヤルティが向上し、長期的な関係を築くことを目指します。

ファンコミュニティとは?

ファンコミュニティは、特定のブランドや製品に対する熱烈なファンが集まるコミュニティのことを指します。これらのコミュニティでは、ファン同士が自分の好きな商品・サービスを共有したり、新製品の感想を交換したりします。企業にとっては、ファンコミュニティを通じて直接顧客からの声を拾ったり、顧客間でやり取りされる情報を収集したりすることで、顧客の生の声を聞くことができます。ファンコミュニティは、その内部で企業・ブランドへの愛着・信頼を高めたり、外部にブランドの価値を広めてくれる働きを持つのです。

従来のファネル型マーケティング手法と何が違うか?

ファネル型マーケティングは、多くのリードを集め、その中から購買に至る顧客を探す手法です。一方、コミュニティマーケティングは、既にブランドに興味を持っている顧客を深堀りし、彼らとの関係を深め、そして彼らを通じて新しい顧客を呼び込んでくる手法です。

コミュニティマーケティングでは、顧客と一緒にブランドを成長させていくことが重要です。顧客は単なる製品の購買者ではなく、ブランドのパートナーとして位置づけられます。これにより、顧客はブランドに対してより深い愛着を持ち、ブランドを一緒に作ってあげているような感覚を持ちます。

なぜコミュニティマーケティングが必要とされるのか

現代のビジネス環境は、これまでの伝統的なマーケティング手法だけでは効果的に顧客とのコミュニケーションを取ることが難しくなってきています。詳しくその理由を探っていきましょう。

①情報過多と情報の価値低下

インターネットの普及やSNSの発展により、情報が瞬時かつ大量に流通するようになりました。

日本国内を切り取ってみても、インターネットでの情報流通量は、指数関数的に増加しています。総務省によると、生活者が受け取る情報量は、2002年と比較すると2020年には約6000倍になったと報告されています。今後も、世界的に見ると、情報流通量は2018年現在に対して2030年には30倍以上、2050年には4,000倍に達するという試算もあり、今後も情報の増加が加速していくと予想されます。

このような情報の洪水の中で、企業が発信する一つひとつの情報の価値は薄まり、顧客に届けることがますます難しくなっています。このように一般的な1広告やプロモーションの効果が弱まる一方で、共通の価値観や感性を持つコミュニティの中のメンバーが発信する情報は、信頼度が高く共感できるものとして受けとめられる可能性があり、コミュニティマーケティングに対する期待も高まっています。

②企業の情報への信頼低下

過去の不祥事や虚偽広告、情報操作などが大きく取り上げられる中、顧客は企業からの一方的な情報提供に疑念を抱くようになりました。

信頼性の高い情報源として、実際の利用者や身の回りの人からの口コミや評価が重視されるようになっています。コミュニティ内で顧客同士で口コミ・評価をシェアしあう環境を作るコミュニティマーケティングは、信頼性の高い情報を求める顧客を呼び込む方法として注目されています。

③人口減少と情報受取手の減少

日本の人口は、減少の一途を辿っています。総務省の資料によると、2022年に1億2,322万である日本の人口は、2050年には9,515万人まで減少すると試算されています。単純計算で毎年100万人近い人口が減少していくことになり、毎年、人口100万人の都市(現在の仙台市などが一例)が1つ消滅していくと考えると、そのインパクトが想像しやすいかと思います。(総務省「市町村合併の進歩状況について」

従来のテレビや新聞でのマス向けのマーケティングをとってみれば、同じ費用をかけて広告を投じても、その受け取り手が単純に減少していくのですから、その効果は今後も薄れていくことが容易に想像できます。そこで、よりターゲットを絞り、個々人の趣味嗜好に合わせたマーケティング手法が求められています。コミュニティマーケティングは、特定のターゲットにアプローチし、かつ彼らのことをより深く知ることができるマーケティング手法であることから、顧客との継続的な関係を構築する手法としてこの時代背景に適しているといえるでしょう。

コミュニティマーケティングの効果・メリットは?

CACの低減

コミュニティマーケティングは、Customer Acquisition Cost(CAC)を低減する効果があります。CACとは、新規顧客を獲得するためのコストを指します。

近年、個人情報保護強化(Cookieの廃止)に伴い個人の趣味趣向に合わせた広告の配信が困難になっていることや、広告・キャンペーンの過剰提供による広告効果の低減により、CACは増加の一途を辿っています。多くの企業が、膨大な費用をかけてメディアやSNSを通じて広告宣伝を行なっても、効果が出なくなってきているのです。

一方、コミュニティマーケティングでは、コミュニティのメンバー(いわゆるファン)自身が、企業の商品やサービスの使用感や魅力を、新しい顧客に対して発信してくれます。こうした既存ファンである顧客が、自発的に動いてくれるため、企業はこれまで多額の費用をかけていた宣伝広告費の抑制できる可能性が出てきます。

また、Z世代と呼ばれる若い世代を中心に、企業が直接顧客に対して発信する情報よりも、身の回りの人・趣味嗜好が会う人から聞いた情報をより信用するという方が増えてきています。

コミュニティマーケティングは、まさにファン自らが周りに商品・サービスの魅力を伝えていく方法であり、新しい顧客の心を掴む上で効果的であると言えます。さらに、コミュニティに入ったのちにもコミュニティ内で共有される情報や開催される企画・イベント等により、新規顧客の定着を促すこともできます。

コミュニティマーケティングにおいてもコミュニティの運営の費用はかかりますが、企業が顧客に対して直接投げかける宣伝広告よりも、コミュニティ運営の方が費用対効果が高く、CACを抑えられる可能性は十分にあるといえるます。

LTVの向上

コミュニティマーケティングは、顧客のLife Time Value(LTV)を向上させる効果があります。LTVとは、顧客一人当たりがブランドにもたらす利益の総額を指します。コミュニティマーケティングにより、顧客のロイヤルティが向上し、長期間にわたって製品やサービスを利用してもらえる可能性が高まります。

従来のマーケティング手法では、一方的な広告やプロモーションによる顧客獲得が主流でした。これにより、短期間の売上を伸ばすことは可能であっても、顧客の信頼や継続的なエンゲージメントを構築するのは難しい傾向にありました。また、顧客の声を直接聞く機会が限られており、ニーズの変化に迅速に対応することが難しいという課題があったのです。

一方、コミュニティマーケティングでは、顧客やファン同士のコミュニケーションを促進することで、製品やサービスへの愛着や理解を深めることができます。具体的には、コミュニティ内で顧客同士が情報交換を行うことで、顧客による製品やサービスに対する理解や興味が深まります。また、コミュニティを通じて顧客が企業と直接コミュニケーションをとることで、顧客のニーズや要望をより解像度高く把握し、それに応える形でサービスを提供することができます。

このようなアプローチにより、顧客はブランドや企業とのつながりを感じ、再購入率や推奨行動(紹介など)が増加します。その結果、一人当たりの顧客がもたらす利益の総額、つまりLTVが向上します。このように、コミュニティマーケティングでは、従来のファネル型マーケティングよりも、LTVを向上できるといえるでしょう。

顧客の生のフィードバックの獲得

コミュニティ内では、顧客同士が自由に意見交換を行います。これにより、企業はコミュニティの中でやりとりされる顧客の生の声を直接聞くことができ、製品開発やサービス改善のヒントを得ることができます。この情報は、市場調査やアンケートでは得られない貴重なものとなります。

従来のマーケティング手法では、広告やプロモーションが中心であり、一方的な情報発信が主流であり、顧客のニーズや要望が反映されにくい商品やサービスが生まれることも少なくありませんでした。また、アンケートやフィードバックの取得も限られた範囲で行われ、多くの顧客の声が聞き逃されていたことも事実です。

コミュニティマーケティングの特徴は、顧客中心のアプローチにあります。コミュニティ内での対話やディスカッションを通じて、企業は顧客の本当のニーズや要望、さらには潜在的なニーズまでを探ることができます。また、信頼関係が築かれることで、顧客が自らの意見やフィードバックを積極的に共有してくれる可能性もあります。

顧客のニーズを正確に汲み取ることで、製品やサービスの品質向上はもちろん、新たな製品やサービスのアイデアを得ることも可能です。これにより、顧客の満足度が向上し、再購入率や口コミによる推奨が増加します。その結果、LTVの向上や、CACの低減にも繋がります。

コミュニティマーケティングの手法

(1)コミュニティサイトの運営

コミュニティマーケティングの基本的な手法として、専用のコミュニティサイトを運営する方法があります。コミュニティサイトでは、ブランドや製品に興味を持つユーザー同士が集まり、情報交換や意見共有を行います。サイト内ではフォーラムやチャット、Q&Aセクションなどを設け、ユーザー同士のコミュニケーションを促進します。

コミュニティサイトの運営では、ユーザーが積極的に参加できる環境を作ることが重要です。例えば、ユーザーが自由にトピックを立てられるフォーラムや、ブランド側が定期的にユーザーの意見を取り入れた新製品やサービスのアナウンスを行うことで、ユーザーの参加意欲を高めることができます。

(2)SNSのハッシュタグ活用

SNSプラットフォームを利用したコミュニティマーケティングも効果的です。特にハッシュタグを活用することで、ブランドや製品に関するユーザーの投稿を一元化し、他のユーザーと共有することができます。ハッシュタグを通じて投稿されるユーザーの声や写真、動画などは、ブランドの魅力をリアルに伝えるコンテンツとして活用できます。

ハッシュタグ活用のポイントは、ユーザーが投稿しやすいシンプルで覚えやすいハッシュタグを設定することです。また、ユーザーの投稿をブランドの公式アカウントでシェアすることで、ユーザーの投稿意欲を高め、コミュニティの活性化を図ることができます。

(3)オンライン・オフラインイベントの開催

コミュニティマーケティングでは、オンラインやオフラインでイベントを開催することも一つの手法です。イベントでは、コミュニティメンバー同士が直接交流できる場を提供し、ブランドへの愛着やコミュニティへの参加意欲を高めることができます。

オンラインイベントでは、ウェビナーやオンラインワークショップなどを開催し、参加者同士の交流の場を設けます。オフラインイベントでは、製品の体験会やユーザーグループのミートアップなどを実施し、参加者にブランドや製品の魅力を直接感じてもらうことができます。

これらのイベントでは、参加者がブランドや製品に対する意見やフィードバックを直接伝えることができるため、ブランド側にとっても貴重な意見を得ることができます。また、イベントの様子をSNSなどでシェアすることで、コミュニティの存在を多くの人に知ってもらうことができます。

コミュニティマーケティングを成功させるポイント

コミュニティ形成はじっくりと質の高さを求める

コミュニティマーケティングの成功のためには、コミュニティの形成を急がないことが重要です。コミュニティは信頼と関係性の上に築かれるため、時間をかけてゆっくりとメンバーとの関係を深めていくことが必要です。急激にメンバーを増やすことが目的ではなく、質の高い関係性を築くことを目指しましょう。

コミュニティマネージャーを慎重に選定する

コミュニティマネージャーの役割は非常に重要です。彼らはコミュニティの顔となり、メンバーとブランドとの間のコミュニケーションを担当します。適切なコミュニケーション能力と共感力、ブランドへの理解と愛情が求められます。コミュニティマネージャーを慎重に選定し、適切なトレーニングとサポートを提供しましょう。

コミュニティメンバーをインセンティブで集めることを避ける

コミュニティメンバーが参加する動機は様々ですが、インセンティブだけでメンバーを集めることは避けましょう。インセンティブがなくなった時点でコミュニティから離れてしまうメンバーも出てきます。真にブランドや製品に興味を持ち、コミュニティに参加したいと思うメンバーを大切にしましょう。

効果測定は定性的な要素も重視する

コミュニティマーケティングの効果測定は、定量的な要素だけでなく定性的な要素も重視することが重要です。コミュニティメンバーの満足度やブランドへの愛着、コミュニティ内の活動の質など、数値で表すことが難しい要素も評価指標として考慮しましょう。

コミュニティの目的を明確に打ち出す

コミュニティを形成する目的を明確に打ち出し、メンバーに共有することが重要です。コミュニティの目的が明確であれば、メンバーもコミュニティに参加する意義を理解しやすく、活動に対するモチベーションが高まります。

コミュニティ内で広告宣伝を行わない

コミュニティ内では、メンバーが自然に情報交換や意見共有を行える環境を作りましょう。広告や宣伝を強く押し出すと、コミュニティの雰囲気が損なわれ、メンバーが離れてしまう可能性があります。コミュニティはメンバー同士の信頼と協力の上に成り立っているため、商業的なメッセージは控えめにしましょう。

コミュニティマーケティングの事例

株式会社コメダ|コミュニティサイト「さんかく屋根の下」

全国にコメダ珈琲店を展開する株式会社コメダは、コミュニティサイト「さんかく屋根の下」を運営しています。

コメダのファン・常連客が集まり商品・店舗の魅力を発信する掲示板、フォトコンテストなどで、コミュニティ内で顧客間の情報共有が活発に行われています。

さらには、新商品の人気投票や、人気商品のパッケージデザインの募集を行うなど、コミュニティ内でのファンの声・意見を実際の商品に活かす取り組みも盛んに行われています。

ファン自らの声が商品にダイレクトに反映されるため、顧客が愛着・ロイヤルティを高めるとともに、新しいファンの獲得に繋がると考えられます。

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名称さんかく屋根の下
開始年度2020年3月
主な企画掲示板(ファン同士)、意見投票、写真共有・フォトコンテスト、イベント開催(新商品試食会・体験ツアー)など
ユーザー数約1万人(2023/2時点)
参画方法コミュニティサイトでの新規会員登録
コミュニティ特典各種企画への参加
ポイントファン・常連客同士が、商品・店舗の魅力を、投稿・写真などで発信する場
お店以外のツアー・フォトコンテスト等で顧客と繋がる場
新商品・定番商品に関する声を投稿・投票で集める場

カゴメ|ファンコミュニティサイト「&KAGOME」

カゴメ株式会社が2015年から運営しているファンコミュニティサイト「&KAGOME」は、老舗であり成功例の一つです。

ファン自身が独自に編み出したカゴメの商品を使用したレシピ・写真の投稿や、トマトを育てる際のコツや悩みを共有する掲示板など、既存のカゴメ製品の枠に囚われないコンテンツを用意している点が、特徴として挙げられるでしょう。

また、カゴメの商品の魅力や、商品開発の裏側について、クイズ・ブログで伝えるコンテンツもあり、コミュニティ内の顧客がさらにカゴメを好きになってくれるための仕掛けも用意されています。

ファンの声から新しい商品・レシピを生み出し、新しいファンを呼び込み定着させることに成功している事例と言えるでしょう。

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名称&KAGOME
開始年度2015年4月
主な企画レシピ投稿(レシピのーと)、評価・投票、写真投稿、トマト好き掲示板(トマトを育てている人集まれ!)など
ユーザー数4.9万人(2021/9時点)
参画方法コミュニティサイトでの新規会員登録
コミュニティ特典各種企画への参加(投票・投稿など)
ポイントファンが、カゴメ商品を使った独自のレシピを編み出し、投稿・写真などで発信する場
家庭菜園などの商品以外の切り口で顧客同士が繋がる場
新商品・定番商品に関する声を投稿・投票で集める場
カゴメの商品の魅力や、商品開発の裏側について、クイズ・ブログで伝える場

コミュニティマーケティングを実施する上での留意点

効果が出るまでに時間を要する

コミュニティマーケティングは、一朝一夕に効果が表れるものではありません。コミュニティの形成や信頼関係の構築には時間がかかります。短期間での成果を求めず、長期的な視点でコミュニティマーケティングを展開しましょう。

コミュニティ内で期待通りの行動が出るためには運用ルールが必要

コミュニティ内でのコミュニケーションがスムーズに行われ、期待通りの行動がメンバーから出るためには、運用ルールを設定し、それを守ることが重要です。ルールを明確にし、メンバーに理解してもらうことで、コミュニティ内でのトラブルを防ぎ、健全なコミュニティを維持できます。

コミュニティマーケティングにおけるNFT等のweb3技術の活用可能性

web3技術をどのように活用するのか?

私たちProofXは、NFTなどのweb3技術が、コミュニティマーケティングの新しい可能性を切り開くと考えています。web3技術を活用することで、コミュニティメンバー同士の信頼関係を簡単にかつ強固に形成し、安全な取引やコミュニケーションを実現できます。特にNFTは、コミュニティメンバーでである証明書や、コミュニティ内の評価・報酬システム構築するのに役立ちます。

NFTについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

web3技術によってどのように変わるのか?

NFTなどのweb3技術によりどのようにコミュニティマーケティングが変わるのかを3つの視点から見ていきましょう。

(1) NFTを参加証明書として用いることで、簡単かつ安全にコミュニティ運営ができる

NFTを参加証明書として使用することで、企業はコミュニティメンバーの確認を簡単に行うとともに、偽造や不正参加を防ぐことでコミュニティの信頼性や品質を保つことができます。

顧客にとっても、スムーズなコミュニティへの参加体験ができ、また、不正参加者のコミュニティ参加が抑制されるため安心して活動に参加できます。さらに、参加証明としてのNFTを持った顧客は、ブランドとの繋がりやコミュニティへの所属感を感じるでしょう。

(2)NFTをコミュニティ内での貢献に対する報酬・称号として活用

顧客がコミュニティ内でオススメ・評価の発信、イベントの企画、企業へのフィードバックなど、ブランドの価値向上やファン増加などの貢献に繋がる行動をした際に、企業はそれらの行動に応じた報酬や称号を、NFTという形で、”唯一無二のもの”として渡すことができます。

顧客はコミュニティ内での自身の貢献や活動が認められることで、さらにブランドへの愛着を高め、商品・サービスの魅力を伝えたいという気持ちになるでしょう。さらに、顧客は他のメンバーと協力し、一緒に報酬・称号を獲得する楽しみを得ることができます。

(3) NFTを通じて、ファンの愛着を生み、コミュニティを活性化

「NFTを報酬・称号として与える仕組み」を作ることで、顧客はより多くの NFTを獲得したいという気持ちから積極的に行動するようになります。また、顧客は集めたNFTに希少性を感じ、企業・ブランドへの愛着を高めてくれるでしょう。

さらに「NFTを交換できる仕組み」を設けると、顧客同士で持っていないNFT・自分だけでは獲得できないNFTを、他の顧客と交換して集めるため、コミュニケーションが活発化するでしょう。このように「NFTを報酬・称号として与える仕組み」と「NFTを交換できる仕組み」により、コミュニティ内の行動やコミュニケーションを活発化できるのです。

NFTなどのweb3技術と相性の良い新しいコミュニティの形態「DAO(Decentralized Autonomous Organization / 分散型自律組織)」について解説した記事も併せてご覧ください。

web3技術を活用したコミュニティマーケティングの兆し

web3技術を活用した新しいマーケティングの一例として、スターバックスが2022年12月にベータ版をリリースし、展開を始めている「Starbucks Odyssey」を取り上げ、ファンコミュニティの形成に繋がる可能性を探っていきましょう。

まず「Starbucks Odyssey」とは、これまで提供されてきたStarbucks RewardsプログラムをNFTなどのWeb3技術によって拡張したロイヤルティプログラムです。Starbucks Odysseyでは、利用者は「ジャーニー」と呼ばれる新たな体験を行うことにより、「ジャーニースタンプ(NFT)」と「Odysseyポイント」を獲得することができます。「Odysseyポイント」を獲得し、各レベルアップ条件を満たすと、報酬として特別な特典や体験へアクセスできるようになります。また、Nifty Gatewayが構築する「Starbucks Odyssey market」というマーケットプレイス上で、利用者間でデジタルスタンプNFTを売買できる機能も搭載されます。

スターバックスは、これまでリアル店舗を「サード・プレイス」とする取組を行ってきましたが、利用者間の関りは少なく「コミュニティ」という印象は強くありませんでした。一方で、「NFTベースのロイヤリティプログラム」と「NFTマーケットプレイス」を整備することで、レベルアップ条件の達成やNFTの収集・売買に関する情報交換が活発になることが期待されます。このようにスターバックスは、NFTを起点としてバーチャル上で、利用者同士のやり取りのあるコミュニティとしての「サード・プレイス」の形成も狙っているのです。

web3ロイヤルティプログラムstarbucks odysseyの操作画面~web3時代のコミュニティマーケティング~(1/2)
web3ロイヤルティプログラムstarbucks odysseyの操作画面(1/2)
web3ロイヤルティプログラムstarbucks odysseyの操作画面~web3時代のコミュニティマーケティング~(1/2)
web3ロイヤルティプログラムstarbucks odysseyの操作画面(2/2)

今後の期待

コミュニティマーケティングにおいて、web3技術やNFTの活用は今後さらに進むと考えられます。これらの技術は、コミュニティ内での新しい価値創造や信頼関係の構築を支え、ブランドとコンシューマとの関係をより強固にします。今後は、これらの技術を活用した斬新なマーケティング戦略が多く登場することが期待されます。

私たちProofXは、様々な企業・自治体と連携して、NFTなどのweb3技術を活用したロイヤルティマーケティング・ファンマーケティングに挑戦しています。ProofXの取り組み事例を詳しく知りたい方は、以下からご覧ください。

ProofXの導入事例を紹介

その中でも、TOPPAN株式会社が受託した北海道庁からの委託事業「NFT(デジタル画像)を活用した周遊促進事業委託業務」において、私たちが提供するweb3ロイヤルティプログラムサービス「ProofX」が活用されています。この事例では、北海道内に点在する世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産および関連資産を周遊することで、オリジナルの訪問記念NFTを入手できるデジタルスタンプラリー「縄文×NFT デジタルスタンプラリー(通称:縄Nラリー)」を2023年10月13日(金)から実施しています。

アプリ画面上ではオリジナルデザインのNFTを確認できるほか、スタンプラリーが進行していく様子を楽しむことが可能です。獲得したNFTを協賛施設で提示することで、施設ごとの特典を受けられるほか、全7つの「訪問記念NFT」の全て集めることで、「制覇記念NFT」を入手出来ます。

この事例のように、まちや観光地のファンを増やす取り組みをはじめ、企業のマーケティング・ブランディングにつなげる取り組みを推進しています。一緒に取り組みたいという方は、ぜひお声がけください。

お問い合せ | 株式会社ProofX

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